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宗教右派

宗教右派(しゅうきょううは)は英語 religious rightの訳語である。現代の欧米ではたびたび宗教的問題が政治における大きな争点となるが、その際に右派政党を通じて宗教的道徳・価値観を法制度に反映することを主張する勢力が宗教右派である。同じく右派政党支持層ながら個人の自由を重視するリバタリアンと区別される。また伝統宗教勢力のうち進歩主義を奉じて宗教右派的なありかたを批判するグループを宗教左派と称するが、欧米では政治的には宗教右派ほどの影響力は持たない。

宗教右派という用語は、キリスト教右派という用語と同じ意味で使われることもあるが、この両者の区別については議論がある。例えば、アメリカ、カナダ、イギリスのキリスト教右派は、特に妊娠中絶や同性愛の問題について共闘する目的で、保守派のユダヤ教徒やイスラム教徒の社会的保守主義者に接触を試みてきた。ニュージーランドでは、プロテスタントの根本主義者の多くがクリスチャン・シオニストであり、イスラム教徒の信教の自由に反対しているのだが、2003年の売春改正法に関しては、保守とイスラムの小規模な共闘が成立した(もっとも、それ以来連携の動きは一歩も進んでいないが)。このように、一部の問題に関しては、より幅広い宗教の間の宗教右派同士の戦術的な連携が存在する。アメリカの場合、統計的にはプロテスタントが多く、カトリックが少ない。何故なら、カトリックはWASPと対立する民主党の支持層の一つであり、いわゆるマイノリティに属する(例:ブッシュ対ケリー)。著名な右派が「カトリック教会は邪教である」と言って憚らない程である。カトリックの宗教右派の殆んどは「教皇空位主義者」(Sedevacantist) である。アメリカを含む西洋社会において政治的に活発なキリスト教保守派についての主な解説は、キリスト教右派のページを参照。

国連レベルでは、さまざまな宗教の保守派NGOが、リプロダクティブヘルス、同性愛者の権利、家庭、生命倫理などの政策問題について協力している。世界家族会議は、そのような目的で結成された異宗教間の国際会議のうち、もっとも重要なものの一つである。

アメリカには、「Jews for Morality」、「Jews for Life」、「Toward Tradition」、「International Committee for Truth about the Holocaust」などの保守的なユダヤ教右派の組織が存在するが、彼らは、イスラエルはおろか、アメリカ外部の保守派ユダヤ教徒とはほとんど接触していない。それどころか、これらの組織は、自らの主張のために、タルムードやラビの教義の解釈を引用したりすることすらない。これらの組織は、むしろ、ユダヤ教の改革派、再建派、保守派などの内部にいるリベラル派のユダヤ人を批判するために存在しているようだ。ブッシュ政権の圧力団体であり、9・11テロ後の「テロとの戦い」を支持している。

イスラム教徒の社会的保守主義者について言えば、アメリカとイランの間の国際緊張の高まり、イラク戦争、イスラエル・パレスチナ紛争の拡大などのため、世界家族会議をキリスト教徒とイスラム教の保守派共闘の場として続けることは難しくなったかもしれない。これは、さまざまな宗教の保守派が協力できる可能性のある社会的保守主義ですら、外交政策と無関係には存在できないということを意味している。

保守派の評論家は、宗教右派という用語には、左翼の政治活動家の固定観念が含まれていると抗議している。それ以外の人々は、そのような固定観念は些細なものであり、「宗教右派」という用語が、「宗教左派」のような他の似た言葉よりよく使われるのは、アメリカでは、著しい数のキリスト教福音派が、右翼の政治運動に協力しているからであると考えている。しかし、クリスチャン・デモクラットに代表されるように実際にはアメリカのキリスト教徒の政治的信条は非常に様々である。この見方は、イギリスについては当てはまらないが、ニュージーランドについては同じように当てはまり、ニュージーランドのキリスト教右派は、アメリカのキリスト教右派の言説、戦術、戦略などにかなり影響されている。また、その中には、ユダヤ教徒(ほとんどは改革派ユダヤ教徒)もわずかに含まれいる。

関連項目

参考文献

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